No.86 債務整理 ⇒ 破産手続開始申立事件

<事案>

 事業をしていた頃の事業資金の多額の借入れについて,事業が縮小される中,利息分を返すぐらいしかできておらず,債務の完済はもはや不可能だろうと思える事案でした。この事業資金の借入れにあたっては,自宅に担保権を設定していたこともあり,破産に際しては,自宅を出て売却を目指すことになりました

<結果>

 自宅を任意売却しようと考えましたが,担保権者との間で折り合いがなかなか付かず,やむを得ず破産申し立てを行い,管財人により自宅が換価されることになりました。特に浪費の事情もなかったものの,借入れの主な理由が事業資金のためであったこともあり,やむを得ず管財事件(※)となりましたが,自宅の売却さえできれば良い事案だったため,時間は少しかかりましたが,特に問題なく破産が認められました。

 数回にわたる債権者集会が開かれましたが,毎回弁護士が付き添って依頼者様をサポートし,免責許可を得ることができました。

<解決ポイント>

 借入れの経緯がやや特殊だったため,返済不可能な事態に陥った理由・経緯について詳細に説明しました。自宅を売却するにあたっては自宅から居住を移す必要がありますが,娘さんに協力してもらい,無事に新たな住居を確保することができました。細かい財産や新たな債権者が,依頼者の記憶から抜け落ちていたものとしていくつか出てきましたが,その度に,裁判所にきちんと報告することにより,結果として,特に問題なく免責を得ることができました。

【用語解説】

 破産管財事件(破産法31条1項) 通称「管財事件」

 破産管財人が選任され破産者の財産をお金に換え債権者に配当するお金を確保する手続。

 奈良地方裁判所の場合,破産管財人への引継予納金として20万円の納付が必要となる。

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