No.87 債務整理 ⇒ 破産手続開始申立事件

<事案>

 主に住宅ローンの返済に行き詰まった結果として,他の債権者からの借入も増えて多重債務に陥り,毎月の返済ができなくなり,やむを得ず破産申立てを行いました。申立人には特に浪費の事情もなかったことから,管財申立てではなく,同時廃止申立てという形で進めていきました。

<結果>

 債務が増えていった原因の部分については,勤務先の変更や給料の減少という事情から,やむにやまれなかったということを詳細に説明しました。これにより,特に問題もなく破産が認められました。

<解決ポイント>

 申立人の所有する自宅はオーバーローンではあったものの,固定資産評価額が異様に高く,形式的には価値ある不動産を所有する者の破産申し立てとして管財事件になる可能性がありました。しかしながら,当該不動産は競売にかかっていたところ,不動産競売事件における評価額,売却基準額が,固定資産評価額ではなく,査定額に近いということを、評価書や「期間入札の公告」を取得し提出することで裁判所に理解してもらい,管財人による換価の必要がないということで同時廃止事件(※)として処理されました。

【用語解説】

同時廃止事件 (破産法216条1項)

 破産者の財産が少なく,破産手続の費用の捻出ができない場合に,破産開始決定と同時に破産手続を終わらせる決定をする手続。上記引継予納金は不要であるが,裁判所の書面審査のため,原則申立時に必要資料をすべて提出し,事細かに報告する必要がある。

0120-115-456 受付時間 9:00〜18:000