給与所得者等再生について 小規模個人再生との違いは?

給与所得者等再生とは

債務整理の方法には、自己破産・任意整理・個人再生などの種類があります。
そのなかでも、個人再生とは「民事再生法に従い、裁判所に返済不能を申立し、借金を10~20%にまで減額して、原則3年で返済する」というものです。

さらに個人再生には、給与所得者等再生と小規模個人再生の2つの方法に分類されます。
特に利用する人が多いのが「小規模個人再生」の方です。実際に弊事務所でも、小規模個人再生の方が取り扱いが多いです。
小規模個人再生の方が、借金をカットできる金額が大きい傾向にあるため、こちらを選ぶケースが多いのです。

しかし、給与所得者等再生にもメリットがあります。小規模個人再生の場合、多くの債権者の同意を得る必要があります。一方で、給与所得者等再生の場合は、同意しない債権者が多数であっても、その他の条件が満たされていれば裁判所からの認可決定がなされます。

基本的な考え方としては、まずは小規模個人再生を検討し、債権者からの反対が多いなど問題が発生した場合は、給与所得者再生を検討する、という流れとなります。

本記事では、給与所得者等再生について、手続きをするための条件や認可のための条件、参考となる条文をまとめました。

再生手続開始要件

個人再生では、手続きを行うために必要な条件があり、それは、給与所得者等再生をする場合と小規模個人再生をする場合で異なります。
それぞれの要件について説明します。

小規模個人再生

・「破産手続き開始の原因となる事実の生ずるおそれ」があること(民事再生法21条1項)

・「将来において継続的に又は反復して収入を得る見込み」があること(民事再生法221条1項)

・「再生債権の総額が5000万円を超えない」こと(民事再生法221条1項)

給与所得者等再生

給与所得者等再生の場合、小規模個人再生の要件に加えて、

①「給与又はこれに類する定期的な収入を得る見込み」があること
②「その額の変動の幅が小さいと見込まれること」

があります。①②については、再生手続開始要件であるだけでなく、再生計画認可要件でもあります。必ずおさえておかなくはならないポイントとなります。

とくに②については、計画弁済総額の基準となる可処分所得の算定方法については、再生計画案提出前の2年間に、定期的な収入の額に5分の1以上の変動があれば、通常の場合と異なる特別な算定方法を用いる必要があります(民事再生法241条2項7号イ)。

「定期的な収入の額の変動の幅が小さい」かどうかに関しては、変動の割合が年収で計算して20%未満かどうかが「一般的」には判断の基準とされます。

ただし、20%以上の変動があっても、再生計画が認可されるケースもあるので、あくまで一応の判断基準であると言えるでしょう。

再生計画認可要件

再生計画が裁判所の認可を得るための条件についても、小規模個人再生と給与所得者等再生のそれぞれについて説明します。

小規模個人再生

・計画弁済の総額が、最低弁済額を下回っていないこと(民事再生法231条1項)

・清算価値保障原則(弁済額が、破産をした場合よりも低い再生計画は、債権者が損をすることになるので許可されないというルール)をみたしていること

・債権者の消極的同意があること

給与者所得者等再生

・給与又はこれに類する定期的な収入を得る見込みがあること

・給与もしくはそれに類する収入の額の変動の幅が小さいと見込まれること

・弁済金額が可処分所得の2年以上であること(民事再生法241条2項7号)

2つの手法の違いについて

小規模個人再生と給与所得者等再生の再生計画認可要件で特筆すべき違いは、

・小規模個人再生は債権者の消極的同意が必要である

・給与所得者等再生は、弁済額が可処分所得の2年分以上でないとならない

の2点であると言えます。

まず、債権者の消極的同意の有無についてです。
そもそも消極的同意とは、「異議を述べないこと」です。
小規模個人再生では、債権者の過半数が同意をしなかった場合、あるいは同意しなかった債権者の再生債権額が、債権総額の過半数を超えた場合は手続きができなくなります。
債権者が消費者金融などの法人ではなく、個人である場合は、同意を得られない可能性が高いです。そのような債権者が多い場合は、小規模個人再生の手続きができない恐れがあり、その場合は給与所得者等再生を検討していく必要があるでしょう。

続いて、弁済額が可処分所得額の2年分以上であること、についてです。
可処分所得2年分について、ざっくりとした説明をすると
(手取り金額 - 一年分の想定生活費)×2 となります。
正確に文章で説明すると、
「再生計画案の提出前2年間の再生債務者の収入の合計額からこれに対する所得税等に相当する額を控除した額を2で除した額」から「再生債務者及びその扶養を受けるべき者の最低限度の生活を維持するために必要な一年分の費用の額」を控除した額に2を乗じた額のことを指します。

給与所得者等再生を行う場合は、この可処分所得額の計算が必須となります。しかし、計算方法が複雑ですので、個人の方がご自身で計算されるのはなかなか難しいかと思います。
弁護士にご相談いただけましたら、可処分所得額の算出や給与所得者等再生が可能かどうかなどについてアドバイスすることが可能です。

個人再生のご相談は弊事務所まで

個人再生や債務整理を検討されているのであれば、是非弊事務所にご相談ください。
本記事でご説明しました通り、個人再生には2つの種類があり、それぞれ手続きの条件が細かく決まっています。
個人再生の他にも任意整理や自己破産といった手続きもございます。

弁護士にご相談いただけましたら、その方にとって最も適した方法をご提案できます。

債務整理に関するご相談は無料でお受け付け致します。どうぞお一人で悩まずにお気軽にご連絡ください。

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