No.69 債務整理 ⇒ 再生手続開始申立事件
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<事案>
生活費、子どもの奨学金の返済、住宅ローンの返済の負担がある中で、個人事業の業績が芳しくなかった時期もあったことから、借入れがかさみ毎月の返済にも困るようになりました。家族五人生活であり、個人事業の事業所でもあることから自宅不動産を手放すわけにはいかず、住宅ローンは従来通りに返済しながら、その他の債務の負担を軽くするために個人再生手続を選択することにしました。個人再生手続は、再生計画に基づき今後継続的に返済をしていくことができる十分な履行可能性(※)がなければ認可されないところ、依頼者は個人事業主として毎月安定した収入を得ることができるようになっていたため再生計画が認可されることとなりました。
<最終的な結果>
再生計画認可前
債務総額 約10,850,000円 毎月の返済額 約350,000円
再生計画認可後
債務総額 約2,170,000円 毎月の返済額 約60,000円
<解決ポイント>
自営業者ということで、個人再生が認可されるための要件である、収入の安定性について裁判所から疑問符が付けられました。その結果、収入の安定性、再生計画の履行可能性に関して調査報告する再生委員が選ばれることになり、再生計画を認可してもらうために、家計と事業の収支を長期間付けて報告することになりました。なかなか大変な作業ではありましたが、ご本人とご家族の協力を得て、再生委員と裁判所そして債権者からの理解を得ることができ、債務総額が圧縮され、現実的な再生計画を立てて実行することになりました。
【用語解説】
履行可能性
履行可能性とは、個人再生手続上、弁済計画に基づいて算出された金額を原則3年間かけて返済できる可能性をいいます。個人再生では、自己破産と異なり、債務の大幅圧縮を受けたうえで、債務総額の一部を支払っていくことになっています。そのため、裁判所の判断において、支払っていくだけの経済力があるかどうかが判断の中心となっており、その支払能力のことを履行可能性と呼んでいます。
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