No.137 債務整理 ⇒ 給与所得者再生という手続で、再生計画案が認可された事例

<事案>

 本件は給与所得者再生申立事件で、再生計画案が認可された事例です。個人再生の手続きには、小規模個人再生と給与所得者再生という手続があり、本件では、楽天カード株式会社が総債権額の2分の1以上を占めていたため、後者の手続を選択し、無事、再生計画案が認可されました。

<相談に至るまでの経緯>

 依頼者は、会社員として収入を得ていましたが、妻との関係が悪化したことを契機に、自暴自棄になり浪費を繰り返すようになりました。その結果、負債が約800万円にのぼり、自転車操業の状態に陥ったため、当所にご相談に来られました。

<解決結果>

 依頼者は、妻には借金のことは内緒であり、妻が管理している依頼者名義の預金通帳に約100万円程度の貯金がありました。破産手続をとれば、当該預金が解約となる可能性があり、妻に借金のことがわかってしまうという事情があったため、個人再生という手続を選択しました。その結果、負債総額が約270万円に圧縮され、返済期限5年間という内容で、再生計画案が認可決定されるに至りました。

<解決ポイント>

本件では、楽天カード株式会社が総債権額の2分の1以上を占めていたため、小規模個人再生では、同社が手続に同意しなければ、再生計画案が認可されない可能性がありました。そこで、給与所得者再生という手続を選択し、無事、再生計画案が認可決定されるに至りました。もっとも、給与所得者再生という手続は小規模個人再生よりも複雑なため、弁護士である専門家への相談をお薦めします。

【用語解説】

個人再生(小規模個人再生,民事再生法第13章以下)

 消費者金融やクレジットの総債務額を減額した最低弁済額を原則3年で分割弁済することで,消費者金融やクレジット残額の免除を受ける手続。なお,最低弁済額は原則,①100万円,②債務額の5分の1,③清算価値分(=財産の総額),以上の①~③のいずれか高い金額となる。

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