No.104 債務整理 ⇒ 精神病を患い、履行可能性が問題となった事例
<事案>
本件は住宅特別条項付小規模個人再生申立事件で、住宅ローンを除く債権者は6社で、負債総額は約900万円でした。また、依頼者は、住宅ローンとして毎月約8万円を支払っていました。依頼者の職業は会社員で、めぼしい財産は特にありませんでした。
<依頼に至る経緯>
依頼者は、精神病を患い、それが理由で仕事が思うようにできない時期があり、そのときに金銭の借り入れを行いました。その後は、徐々に仕事をこなすことができましたが、自転車操業の状態の陥り、当所にご相談に来られました。
<解決結果>
依頼者は、住宅を残したいと希望があったため、住宅特別条項付小規模個人再生を選択しました。その結果、負債総額が約180万円に圧縮され、返済期限5年間という内容で、再生計画案が認可決定されるに至りました。
<解決ポイント>
依頼者は、精神病を患っていたため、履行可能性が問題となりましたが、現在、病状は安定していて、収入も安定していることを、弁護士が裁判所に説明し、再生計画案が認可決定されるに至りました。
【用語解説】
履行可能性
履行可能性とは、個人再生手続上、弁済計画に基づいて算出された金額を原則3年間かけて返済できる可能性をいいます。個人再生では、自己破産と異なり、債務の大幅圧縮を受けたうえで、債務総額の一部を支払っていくことになっています。そのため、裁判所の判断において、支払っていくだけの経済力があるかどうかが判断の中心となっており、その支払能力のことを履行可能性と呼んでいます。
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