No.83 債務整理 ⇒ 住宅を残したまま再生手続を利用した事案

<事案>

 依頼者は、店舗を構えてケーキの製造・販売業を営んでいましたが、徐々に経営が厳しくなり店舗を閉鎖することにしました。転職後も事業を営んでいた際にできた借入金の返済をしていましたが、毎月の給与と返済額がほぼ同額であり、これ以上の自力での返済に限界を感じて今回の再生手続の申立てに至りました。また、依頼者は所有していた自宅を残すことを希望していたため、住宅ローン特別条項付再生手続(※)を利用することとしました。

<結果>

「再生計画認可前」             

債務総額(住宅ローンを除く) 約873万円   

毎月の返済額  約20万円

「再生計画認可後」             

債務総額(住宅ローンを除く) 約175万円   

毎月の返済額  約5万円

<解決ポイント>

 依頼者は、単身で税金の滞納もなかったため、履行可能性の十分性を裁判所に認めてもらえやすいという利点がありました。

【用語解説】

住宅ローン特別条項付個人再生(民事再生法196条以下)

 住宅ローンについての特則を付けた個人再生手続。個人再生は,消費者金融やクレジットの総債務額を減額した最低弁済額を弁済することで残額の免除を受ける手続であるが,住宅ローンについては減額することができない。

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