No.6 個人再生申立 ⇒ 借入の理由が,浪費やギャンブルでも個人再生ができた事例。
<事案>
とあるショップの販売員として努めるOLのFさんは,化粧品・雑貨等または高級ブランドの商品の購入をクレジットカードで行ったり,借入を行ったりして,債務を負うようになりました。
また,Fさんは,両親と3人で暮らしておりましたが,その居住するマンション(分譲)は,Fさんの名義で3年程前に購入し,住宅ローンを組んだものでした。
Fさんは,上記の理由で借入等を繰り返していくうちに,債務額がどんどん膨らむようになると,返済のために借入を行うようになり,いわゆる自転車操業のような状態が続くようになりました。
しかし,どれだけ返済しても一向に債務が減少することなく,むしろ住宅ローンを除く債務の合計額が約700万円近くまで膨らむようになってきたため,何とかできないものか弊事務所に相談に来られました。
<解決に至るまで>
Fさんは,マンションをお持ちで住宅ローンの返済が残っており,両親とまだ一緒に住んでいるという事情があったため,家を残したまま他の債務額を圧縮することができる住宅資金特別条項付きの小規模個人再生手続を選ぶこととなりました。
特に,Fさんは借入の原因が,商品購入であること,ギャンブルも少々たしなむ程度に行っていたこと等により,「浪費」(破産法252条1項4号)にあたる可能性が充分にあったため,破産という選択をとることはやや困難といえました。
さて,個人再生の手続を準備するにあたって,Fさんにおいては両親とも協力の下,世帯全体としての家計収支をとることを習慣づけることとしました。
また,債務額約700万円が5分の1に圧縮した約140万円を最低弁済額と想定し,Fさんが今後3年間で返済していくこととなる1ヶ月当たりの弁済資金の確保の観点から,毎月の収入から生活費を差し引いた残りの金額から余裕をもって7万円ずつの積立を行っていくようにしました。 今回Fさんの支出部分を減らすだけでもこれまでの生活費が抑えられるようになり,住宅ローンの返済は毎月約7万円ずつ行っていましたので,上記積立の実績が裁判所からも認められ,無事再生計画の認可決定が下りました。
Fさんは相談当初も家族3人でお越しになり,家族全体での手続に関する不安や心配を抱えておられたので,家族の方にも安心していただけるように丁寧に説明を行い,皆さんの不安や心配を取り除くよう努めた結果,最後も家族3人でお越しになり,皆さんが満足していただけることとなりました。
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